法律相談は無料で電話でできる?電話するとき4つの注意点?
法律相談は無料で電話でできる?電話するとき4つの注意点?
離婚問題、男女トラブル、相続や労働問題で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。最近はご相談者が抱える悩みの種類は年々複雑化してきています。さらに弁護士数は増えているにもかかわらず企業の法務部門は人材不足など需給のバランスが崩れており、適切な法律相談をする場所が身近にないという嘆きの声も聞かれます。そんな人の心強い味方が電話による無料法律相談です。ここでは電話による無料法律相談をどのように活用すべきかを解説します。
1. 電話の無料法律相談とは
トラブルに悩んでいるが、いきなり法律事務所に行くような悩みなのか・法律事務所で取り扱ってくれるような案件なのかといった場合に電話で法律相談をすることができます。電話の通話料は自分で負担する必要がありますが、多くの場合は法律相談料はかかりません。
2. 電話で法律相談をする方法
電話で法律相談をする方法としては、法テラスや弁護士会の電話相談と弁護士事務所がそれぞれ行っている電話相談があります。
(1) 法テラス・弁護士会の電話相談
法テラスの電話相談では法的トラブルでお悩みの方に適切な法制度、関係機関(法律相談・公的機関窓口等)の紹介をしています。
弁護士会の電話相談は弁護士会毎により異なりますが、概ね15分程度で相談内容にアドバイスしたり、又は法律相談を受けられる内容かを判定したりします。
(2) 各弁護士事務所が行っている電話相談
最近は弁護士数が増加しており、弁護士による顧客獲得競争が激化しています。少しでも多くの依頼者を獲得するために、弁護士事務所の中では無料で電話相談を行うところも出てきました。
電話相談を行っている弁護士事務所の探し方としては、「弁護士 無料電話相談」等のキーワードで調べる方法と、自分が抱えるトラブルで弁護士事務所を探して電話相談をしているか確認する方法があります。後者の探し方は、例えば「離婚 法律相談」で弁護士事務所を探してホームページを見て電話相談をやっている確認する方法です。
このように電話で法律相談をする方法があります。電話で弁護士に法律相談ができ、しかも無料なんて便利だと思われるかもしれません。しかし、電話の無料法律相談はいくつか注意点もあります。
3. 原則として匿名の相談はできない
まずは、電話での法律相談だからと言って匿名での相談は出来ないということです。この理由としては、あなたの相手方から法律相談を受ける可能性があり、利益相反のおそれがないか等をチェックするためです。
そもそも匿名で電話相談をする人は、何かやましいことがある、半分冷やかしの可能性がある、又は異常に警戒心が強い等の一癖ある場合が多いです。従って、匿名で法律相談ができるかを聞いたり、電話番号非通知で相談しようとする人は弁護士に嫌われる可能性が高いです。匿名の法律相談を希望した時点で弁護士にまともに取り合って貰えないおそれがあることを覚悟しましょう。
電話での法律相談であっても最初に名乗るのが礼儀ですし、電話での法律相談では氏名・住所・連絡の取れる電話番号などを聞かれるということを理解しておきましょう。
4. 折り返しの対応になる場合がある
また、電話での法律相談であっても相談は必ず弁護士が対応しなくてはならないため、弁護士が不在の時は折り返しの電話による相談になってしまうという点です。現在では、1人の弁護士がいくつもの案件を抱えている場合もあり、弁護士が外出していることも多々あるためです。
弁護士の仕事は裁判が長引いたり、緊急で対応する必要があります。従って、電話での折り返し時間を指定しても、弁護士事務所としても確約できないことが多いでしょう。電話で法律相談をする場合は、折り返しがあった場合に対応しやすいときに利用する方が良いでしょう。
5. 電話の法律相談だけでは解決できない
そもそも電話の法律相談だけであなたのトラブルを解決できないことが多いと思った方が良いでしょう。例えば、法テラスの電話相談は、そもそも法制度や関係機関の紹介を目的としており、あなたのトラブルに対する助言は目的として記載されています。
このように電話の法律相談は、多くの場合は、正式に弁護士に法律相談をするべきか、又は弁護士に依頼できる内容かを確認できるにすぎず、電話でトラブルの解決方法を教えて貰える訳ではありません。
また、ある程度の回答を得られたとしても一般的な内容としての回答になるという点です。電話での法律相談では、書類等も確認できず、時間も限られているため相談内容の詳しいことが把握できないため個別の事案に対しての判断はその場では出来ません。
電話の法律相談だけで自分のトラブルが解決できると期待するのはやめましょう!
6. 時間や回数の制限がある
最後に、無料の電話法律相談は原則として同一・同種の内容の初回限りだということです。多くの相談者の悩みに対応するため、このような規定を設けているところがほとんどです。また、15分程度ぐらいの時間制限もあることがほとんどです。
従って、電話の法律相談をする前に自分の相談したい事柄を整理して、時間内に収まるように備えておきましょう。とくにダラダラと時系列に沿って説明するのではなく、現在どのようなトラブルがあってどのような解決を希望するのかを伝えて、弁護士に質問して貰う方が有効なことが多いでしょう。
7. まとめ
電話での法律相談は便利です。しかし、正式に依頼する気がある真剣な相談者に対しては親切な弁護士でも、電話でちょっと話を聞いて自分で問題解決をしたい人は弁護士もまともにとりあってくれません。
あくまで電話での法律相談は弁護士に正式に相談や依頼できるかの確認程度だと理解した方が良いでしょう。また、電話での法律相談は様々なルールがあるので、ルールを確認しながら電話での法律相談を有効活用しましょう。