自己破産に強い弁護士の探し方と注意点
自己破産に強い弁護士の探し方と注意点
消費者金融などからお金を借りたけども、なかなか返済することができない場合には債務整理をする方法があります。債務整理をする場合には、借金の返済が可能であれ自己破産になる事はありませんが、そうでなければ自己破産をした方が良いことがあります。
借金で悩んでいる場合は自己破産をするか否かの方針は弁護士と相談して決めることですが、相談の段階でどのような法律事務所に頼ったら良いのか判断が難しいところです。なぜなら、ほとんどの人は法律事務所にお世話になったことがなく、一説には国民の中で法律事務所に相談をしたことがある人は全体の7%程度とも言われています。そこで、弁護士の探し方を解説します。
1. 自己破産と過払い金請求の違い
自己破産を考えて弁護士を選ぶ場合は、まず過払い金請求とは違うことをよく理解しておく必要があります。過払い金請求と破産申立ては同じものと考えてしまい、過払い金請求に強い弁護士を選ぶ人がいますがそれは勘違いと言わざるを得ません。
ある程度共通した部分があるのも事実ですが、自己破産を考えているのであればストレートに破産申立てで弁護士を探した方が良いでしょう。
2. 会社の破産申立ては要注意
また自己破産の中でも、個人の破産申立てか会社の破産申立てかで業務の難易度は大きく異なります。個人の破産申立ては、基本的には書面審査ですぐ終わる同時廃止手続を狙うことになります。
これに対し、会社の破産申立ては原則として管財事件となり手続きが異なります。また、会社の破産申立てでは、取引先や従業員との関係が生じますし、非常に厄介です。会社の破産申立ては、経営者の矢面に立って戦ってくれる弁護士である必要があります。
3. 自己破産で弁護士を選ぶポイント
(1) 解決実績について
解決実績は重要ではありますが、あまり実績に捉われることも考えものです。例えば、「自己破産の問題を50件解決したことがあります」と記載があった場合、その実績は弁護士事務所全体なのか、その弁護士の実績なのか明らかではありません。。このように考えるならば、単に実績が何件ありますと言ったことだけでは判断できないことが理解できるでしょう。
(2) 事務処理のスピードは重要
自己破産の目的は免責決定を得て借金をチャラにすることです。どのような弁護士が担当したとしても、基本的には借金が無くなるという最終的な結論は変わりません(ごく例外的に免責決定を得られないこともあるかもしれませんが)。
従って、弁護士によって違いがでるとすれば事務処理のスピードです。会社の破産申立ては規模や状況で様々ですが、個人の破産申立ては基本的には定型的処理です。従って、個人の破産申立ては、どれぐらいの期間で処理しているかを確認することは重要です。
(3) 弁護士費用
また、自己破産を考える場合は基本的にはお金がないため、弁護士費用も非常に重要な要素となります。弁護士費用等を用意できないと弁護士は動いてくれないので、少しでも安い弁護士費用の方が良いのは間違いないでしょう。
4. 自己破産の申立ては司法書士か弁護士か
なお、自己破産の申立ては弁護士と司法書士のいずれもが取り扱っています。司法書士の方が費用は安いのですが、弁護士と違って司法書士は代理人にはならずに書類作成だけです。従って、裁判所に対して申立てを行い、裁判官とのやり取りは自分でやる必要があります。
また、司法書士に書類を作成して貰って本人申立てを行うと、東京地裁の場合は原則として管財事件となって最低50万円の予納金がかかります。これに対し、弁護士であれば少額管財手続で予納金は20万円程度ですみます。
たしかに、依頼する段階での費用は司法書士の方が安いですが、最終的に自己破産をすれば手元に残るお金にあまり意味はありませんし、結局は予納金を溜めたり手続きに時間がかかったりします。
<ポイント>
司法書士に自己破産の申立てを依頼していたものの、裁判所から弁護士に依頼するよう指摘を受けるケースも散見されます。このような場合は費用が二重にかかるだけでなく、二度手間となってしまいます。最初から弁護士に依頼した方が無難と言えるでしょう。
5. 自己破産に強い弁護士の探し方
自己破産に強い弁護士を探す方法としては、基本的にはインターネット検索が良いでしょう。なぜなら、借金の問題に悩んでいることを知人には話しづらく、知人の紹介による方法は心理的に困難です。また、区役所や弁護士会の相談会、法テラス等を利用することは考えられますが、どのような弁護士かを予め調べることができません。
従って、インターネットで検索した上で無料法律相談を利用して弁護士の相性を確かめる方法が無難です。基本的には自己破産の申立ては無料法律相談を対応しているので、まずは自己破産に強い弁護士をインターネットで検索して、出てきた中から2~3件の無料法律相談を利用して決めるのが良いでしょう。
6. まとめ
個人の破産申立ては借金が無くなるという結果はどの弁護士が担当しても同じです。従って、平均的な事務処理期間や弁護士費用で弁護士を選べば良いでしょう。
これに対し、会社の破産申立ては個人とは大きく異なります。企業の法律問題に強く、オーダーメイドで丁寧に対応してくれて経営者の矢面に立って戦ってくれる弁護士を慎重に選ぶ必要があります。
自己破産を考えるようになった場合は、あまり思い悩んでも借金で苦しむ期間が長引くだけです。インターネットで検索して2~3件弁護士をピックアップして無料法律相談で弁護士費用や処理方針を確認すれば、速やかに依頼した方が良いでしょう。